11月になりましたが、相変わらず清々しい晴れの日は続きません。私が住職している大通寺は、市原市と夷隅郡大多喜町の境にあります。樹木葬霊園は寺の裏山にありますので市原市ですが、園内から見える景色は大多喜町です。
県立の博物館になっている大多喜城と言う城が見えますが、その後ろの山に千葉県の経営している大多喜県民の森と言う施設があります。まだ子供が小学生だった20年程前は、そこにある大きな滑り台で遊ぶために行ったことがあります。どのくらいの面積か分かりませんが、散策できる里山になっていました。先日、樹木葬を購入した方と一緒に行って来ました。霊園から良く見える場所なので、行くこともなかったもので、20年ぶりになります。
管理事務所がある芝生の広場の雰囲気は以前と変わりませんでしたが、平日だったせいかもしれませんが、私たち以外には駐車場に車が1台あるだけです。以前に訪れたのが夏休みの頃でしたので、駐車場は満車状態だったと思います。大きな滑り台は撤去されていました。私の中では、つい最近の事のように想うのですが、時の流れの速さを感じ、子供と遊んだ日を想い出して複雑な気持ちになりました。里山だけは、以前と変わりなく美しい状態に保全されています。
私が樹木葬霊園として管理している里山の何十倍もの広大な山を美しい状態に管理するのは非常に大変だと思います。2時間ほど散策しましたが、誰とも会うことがなく、つまり、利用者がいないわけです。税金を使って管理するのは無駄のように感じる人もいると思います。里山を管理する人がいなくなった現在、公のお金を使用しなければ、里山を後世に残すことなどできません。本当に昔の里山のまま保全されていて、リンドウやヤマユリなどの以前はどこにでもあった植物があり、歩いていて爽快な気分になります。
本当に昔は私の周りはそんな里山が生活の一部にありました。千葉県の山は、高い山に登るような準備も不要で、天気さえ良ければとても気持ちが良く散策できます。もっとも、残念ながら県などが管理している山に限ってのことですが。