市原南霊園を樹木葬専用の霊園として開園してから四季と言うもの季節の移り変わりをより強く感じるようになりました。管理上、雨の日も風の日もほぼ365日園内の見回りをしますが、1日たりとも同じ景色であることはありません。本当に季節の移り変りを樹木の葉の茂り具合や草花の咲き具合や鳥の鳴き声や虫たちの様子を見て真に実感しています。管理するために樹木の手入れや下草刈りを年中行っていますが、一年間の様子をご紹介します。
1月は、落葉樹の葉がほとんど落ちて園内を覆います。落ち葉の片づけが大変です。ほとんど花がありませんが、樹木の葉が落ちて、空気が澄んでいるため遠くの山々の景色が良く見えます。晴れていれば富士山が良く見える時です。
2月は樹木葬霊園内で行う作業はほとんどありませんが、雪が降ると雪かきは慣れていないせいもあり大変な重労働です。園内の樹木や垣根に寒肥を施します。自生する藪椿が咲き出します。
3月もこれと言った作業はありませんが、落葉樹を植える時期がこの頃になります。現在は樹木葬園内の樹木は全て植え終わりましたが、膨大な本数の落葉樹を植えましたので開園当初は非常に大変でした。樹木探しのため植木屋さんで様々な植木の品定めをするのも楽しかったと思います。下旬になると山桜をはじめとして早咲きのシャクナゲが咲き始め、地味だった園内が急に華やかになります。彼岸の中日には春の合同供養会を行いますが、その頃はまだ桜が咲いていないのが残念です。
4月は、中旬頃から雑草が伸び始めますので草刈りを行います。区画内の草も出始めますので、少しずつ草取りを始めます。園内はシャクナゲ、つつじなどが咲きとても綺麗です。
5月も引き続き草刈りと草取りを主に行います。樹木の余分な枝の剪定なども行います。気候的には外で作業するにはとても気持ちが良いです。シャクナゲ等の花は終わりますが、園内は新緑に包まれて一番生命に満ち溢れているように感じます。
6月も草刈りと草取りを行いますが、梅雨の時期となりますので思うように作業が進みません。作業はできませんが、雨に濡れた紫陽花やしずくのついた樹木を見るのも悪くないです。この時期は夜になると蛍が飛びます。最も昔に比べるとかなり数が減りました。回りの景色は全然見えなくなりますので見学等でお越しの場合は雨の日は避けた方が良いと思います。
例年だと7月中旬頃には梅雨明けとなります。蒸し暑い中での作業は大変ですが最も雑草が伸びる時期ですからなるべくこまめに草刈りをしないと瞬く間に草が大きくなります。樹木葬霊園内は夏の草花が咲き、その蜜を求めて蜂や蝶が飛び回りとても賑やかになります。園内は里山の南側にありますので日当たりが良く日中はとても暑いです。時々吹く風がとても心地よく感じられます。
8月は、植えたばかりの樹木がある場合は水やりが必要なため大変です。芝生の水やりは面積が広いので特に大変です。個人的にはお盆の行事と重なってとても忙しい月です。園内はセミの声で溢れ、相変わらず暑いです。都会からお越しの方は涼しく感じるようです。標高は200m程ですが、緑が多く木陰が気持ち良いからだと思います。
9月になると朝夕はかなり涼しくなり、ヒグラシの声とともに夏の終わりを感じ、私が最も寂しさを実感する季節です。園内の夏の花も少なくなってきます。草取りや草刈りの作業はまだ必要です。秋の彼岸の中日には合同供養会を行います。
10月は園内もオミナエシなどの秋の花に入れ替わり、外で作業するにはちょうど良い時期です。園内を一通り草刈りすれば春までは草刈り作業から解放されます。園内の木の下には色々なキノコが生えています。毎年食べてみたい誘惑にかられる「タマゴタケ」が出てくるのもこの頃です。
11月下旬になると園内の木々が少しずつ紅葉してきます。はぜの木は赤くなりコナラは黄色になって、足元には沢山のドングリが落ちています。あまりの量にびっくりする程ですが、動物や鳥や虫の糧になっているのでしょう。朝夕はかなり寒さを感じますが、暑いのが苦手な私には好きな季節です。12月になって北風が吹くとともに樹木の葉が落ちて行きます。落ち葉を集めると昔のように焼き芋をしたくなる衝動にかられます。私がホームページの管理をお願いしているリプレと言う会社が「いいおいも」と言うサイトで安納芋と言うイモを販売していますが、この時期になると必ず購入して楽しんでいます。ふつうに蒸かしても美味いです。落ち葉で焼いたらどんなに美味いか試してみたいのですが、たき火は禁止されていますので我慢しています。以上が樹木葬霊園の1年です。1年が過ぎるのがとても早く感じます。
先ほども書きましたが、同じ風景が1日たりともないのと同じで、1年単位で考えると毎年同じ景色を見て、同じ作業をしているように思われますが、同じものなど何もないと実感します。今日と言う1日は二度とないのと同じです。もしも私が樹木葬を始めなければ決して分かることのなかった事を自然やその中でする作業を通して教えてもらえた事に感謝します。