この時期に私が季節を感じるものが2つあります。1つは、曼珠沙華(彼岸花)の花です。彼岸花とはよく言ったもので、毎年、必ず秋のお彼岸の頃になると何もないと思っていた所から顔を出して真っ赤な花を咲かせます。子供の頃は、葉っぱもないのに咲いていてちょっと薄気味悪く感じていましたが、今は、この花が咲くと今年も彼岸が来たんだなと感じます。もっとも嫌いな方も多い花で、お客様の中にも彼岸花は、ちょっととおっしゃる方もいらっしゃいます。

彼岸花

もう一つは、キンモクセイです。花は小さくてよく見ないと分からないほどですが、どこからともなくこの花の香りが漂ってくると、ああもう秋だなと感じます。私は、かつてお役所勤めをしていて、いわゆる二束のわらじを履いていた時がありましたが、なかなか忙しく、季節を感じる余裕もありませんでしたが、風に運ばれたこの花の匂いを嗅いだ時だけは、もう夏が終わりだなとしみじみ感じたものです。また、この木は、ふだんはただ緑の葉を付けただけのなんの変哲もない木です。花が匂うのは、ほんの1週間ほどで、また何の変哲もない木に戻ります。たった1週間、花を咲かせるために冬の寒い日も夏の暑い日も緑の葉っぱを付けてがんばっているのです。花が咲き終わる頃、また来年もがんばって会おうなと声をかけたくなります。私の大好きな木の一つです。

キンモクセイ